
10社にAI検索エージェンシーの仕事を尋ねると、共通点がほとんどない二通りの答えが返ってきます。半数は、製品に検索エンジンを組み込む会社だと説明します。顧客がサポート窓口の入力欄に言葉足らずな質問を打ち込んでも、キーワードの一致ではなく、正しい文書が返ってくるようにする仕事です。残りの半数は、事業の外側で動く会社だと説明します。誰かがChatGPTやGoogleのAI Overviewsにおすすめを尋ねたとき、自社ブランドが引用されるようにする仕事です。どちらも実在する業種です。どちらも同じ言葉で売られています。予算も、必要なスキルも、プロジェクトを担当すべき人も、あらゆる点で異なります。カテゴリーだけを確認して、どちらの業種を買うのかを確認しなかった買い手は、それに気づくまでに四半期を失います。
これは呼び名をめぐる些細な話ではありません。誰に依頼するのか、提案書に何が書かれているべきか、何をもって仕事が成功したと言えるのかが、この区別で決まります。誰かが指摘すれば簡単にできる区別ですが、指摘する人はほとんどいません。
一つの言葉、二つの業種
一つ目の業種はエンジニアリングです。この事業を営む会社は、製品カタログ、ドキュメント一式、保険金請求のアーカイブ、10年分のサポートチケットなど、貴社がすでに保有しているコンテンツを対象に、検索(リトリーバル)システムを構築します。現在の手法では、埋め込みとベクトルインデックスを使い、クエリが単語そのものではなく意味で一致するようにします。多くの場合、従来型のキーワードランキングと組み合わせます。純粋なセマンティック検索は、名称、部品番号、日付の扱いが一般に期待されているほど得意ではないためです。成果物は貴社の製品の中で稼働するシステムであり、それを評価するのは貴社のエンジニアと貴社のユーザーです。
二つ目の業種は、ソフトウェアよりも広報に近い仕事です。この事業を営む会社は、アシスタントがどのように回答を組み立てるのか、その際に何を引用するのか、ある情報源が別の情報源に代わって引用される理由は何かを調べます。そこから生まれる作業は、コンテンツ、構造、技術的なマークアップ、そしてモデルが参照先として示せるような第三者による掲載です。貴社の製品に組み込まれるものは何もありません。変わるのは、自社が答えになりたい質問を誰かがしたときに、貴社の名前が出てくるかどうかです。
前者の会社はプロダクト責任者や最高技術責任者に売り込みます。後者の会社はマーケティング責任者に売り込みます。企業が一方の提案を聞き、もう一方の部門に依頼を回し、誰かが食い違いに気づくまでに8週間を費やすことは珍しくありません。
| 比較する項目 | 製品に組み込む検索 | AIの回答内での可視性 |
|---|---|---|
| 検索する人 | 貴社が所有するものの中にいる既存顧客 | 誰に依頼すべきかをアシスタントに尋ねる見知らぬ人 |
| 担当すべき部門 | プロダクトまたはエンジニアリング | マーケティングまたは広報 |
| 納品されるもの | 稼働する検索システムとその評価セット | 公開されたコンテンツ、マークアップ、第三者による掲載 |
| 成功したと判断する方法 | ラベル付きの質問セットに対する検索指標 | 定義した質問リスト全体での引用シェア |
| 結果を左右する主体 | 貴社です。システムが貴社のものだからです | 一部はモデルの提供元であり、そのため何も保証されません |
この表を印刷して、これから契約書に署名する人の前に置いてください。左の列に当てはまるAI検索エージェンシーは、右の列の仕事には不向きです。その逆も同じです。

貴社の課題に本当に必要なのはどちらか
AI検索エージェンシーに依頼する前に、答えを決める問いは短いものです。検索はどこで行われ、誰が検索しているのでしょうか。
- 検索する人がすでに貴社の顧客であり、すでにログインしていて、貴社が所有するものの中で検索しているなら、答えはエンジニアリングの業種です。直そうとしている不具合は、自社の検索の質が低いことです。
- 検索する人が貴社のことを聞いたことがなく、誰に依頼すべきかをアシスタントに尋ねているなら、答えは可視性の業種です。直そうとしている不具合は、質問の瞬間に貴社が見えていないことです。
- 両方が当てはまるなら、それは予算も別々の二つのプロジェクトです。ほとんどの場合、エンジニアリングのほうが投資回収は明確です。他社が予告なく再学習させるモデルではなく、貴社が管理するシステムを基準に測定できるためです。
大量の自社コンテンツを保有する企業、つまり保険、法律サービス、製造、医療事務、エンタープライズソフトウェアの各業界の企業は、たいてい前者を買いながら後者の言葉で説明します。耳にした言葉が、業界メディアで使われてきた言葉だからです。少数の高額な買い手にサービスを販売する企業は、たいてい後者を買うことになり、前者に費用をかけても無駄になります。
エンジニアリング側が見積もる内容と、見積もりから外す内容
製品側の検索業務に関するまともな提案書は、五つの項目を扱います。そのどれかを省いた提案書は、難しい部分を後日の請求書に回しています。
- 取り込みとチャンク分割。文書をどう分割するかは、モデルよりも重要です。誤った位置で分割された契約書は、質問の半分にしか答えていないのに、自信を持って回答します。
- 検索設計そのもの。ハイブリッド検索を運用しているか、完全一致のケースをどう扱うかを尋ねてください。埋め込みだけで足りると言う会社は、実際の製品コードを相手に本番環境で運用した経験がありません。
- 評価。作業を始める前に、ラベル付きの質問セットとそれに対応する数値があるべきです。そうすれば「改善」はデモではなく測定になります。これは確認する項目として最も信頼できます。実践している会社は、聞かれなくても自分から話題にするためです。
- 実際の利用量でのレイテンシーとクエリ単価。どちらもプロトタイプでは問題になりませんが、どちらも5か月目にプロジェクトが中止される原因になります。
- その後の運用担当者。検索システムは、コンテンツが増えるにつれて精度がずれていきます。誰かが再インデックス、再評価、再調整を行う必要があり、その誰かは貴社の社員か、継続契約の委託先のどちらかです。
同じ規律は所有権にも当てはまります。買い手がデモに高揚しているうちに、決めるのを忘れてしまう部分です。契約終了時に貴社が実際に所有するものについての当サイトの記事では、確認すべき質問を詳しく取り上げています。これらの質問は、他の多くの業務よりも検索の構築に強く当てはまります。インデックス、評価セット、チューニングはいずれも、誰も取り決めなければ会社側が保持してもおかしくないものだからです。
可視性側が約束できること、できないこと
この業種の誠実なサービスは買う価値があり、可視性の側で働くAI検索エージェンシーは報酬に見合う仕事ができます。不誠実なサービスはいたるところにあり、一つの兆候で見分けられます。掲載の保証です。モデルが何を言うかは、誰にも制御できません。アシスタントは、開発元の外部では誰も知らないスケジュールで検索の挙動を変更します。順位を約束する会社は、仕組みを誤解しているか、貴社が確認しないことを当てにしているかのどちらかです。
優れた会社が約束するのはプロセスです。どの質問を対象にするのか、その質問で現在どの情報源が引用されているのか、何を公開または修正するつもりなのか、引用シェアが動いたかどうかをどう測定するのかを説明します。これは妥当な契約です。当サイトのガイドでは、回答エンジン最適化、生成エンジン最適化、検索エンジン最適化の違いと、AIアシスタントに推薦される方法について、作業の内容を説明しています。AEOエージェンシーに依頼する前に確認すべきことでは、調達の側面を扱っています。
何かを発注する前に、この変化を追跡している研究機関の資料を読んでおく価値があります。スタンフォード大学のInstitute for Human-Centered Artificial Intelligenceは毎年AI Indexを発行しています。McKinseyの年次調査State of AIは、ベンダーが勧める投資先ではなく、企業が実際に資金を投じている分野を追跡しています。
10分で会社を見分ける会話
AI検索エージェンシーにこれらの質問をするのに、技術的な知識は必要ありません。三つの質問でほとんど用が足り、その答えで二つの業種はすぐに分かれます。
- 「御社の成果物は、当社の製品の中で動くのですか、それとも外で動くのですか。」これに一文で答えられない会社は、サービスではなくカテゴリーを売っています。
- 「うまくいったことを示す数値は何で、誰が測定するのですか。」エンジニアリング側の答えは、質問セットに対する検索指標です。可視性側の答えは、定義した質問リストでの引用シェアです。それ以外は物語にすぎません。
- 「直近でうまくいかなかった事例と、そこで何を変えたのかを見せてください。」どちらの種類の仕事でも、納品した経験のある会社には必ず事例があります。事例のない会社は、納品した経験がありません。
価格を尋ねる前に、これらを尋ねてください。三つすべてに明快に答える会社は、料金の話をする価値があります。依頼する前にAIエージェンシーに尋ねるべき質問をまとめた当サイトのガイドには、2回目の打ち合わせに向けたさらに長いリストがあります。
どこから探し始めるか
AI検索エージェンシーは一種類ではありません。このディレクトリでは、二つの業種を一つの見出しにまとめず、分けて掲載しています。製品に検索とリトリーバルを組み込む会社はAI検索エージェンシーとカスタムAIソリューションに掲載しています。検索の構築を下支えするデータ基盤を担当するチームは機械学習・データサイエンスに掲載しています。言葉ではなく業種で探すことが、この記事全体で取り上げた取り違えを避ける最も早い方法です。
カテゴリーを順に見ていくよりも、課題を一度説明するほうがよい場合は、構築したいものをお聞かせください。当ディレクトリの中から、その種類の仕事を専門とするエージェンシーをご案内します。費用はかからず、どこかに依頼する義務もありません。
一本目の電話を受ける前に、二つの事業のどちらを買うのかを決めてください。10分で済む判断が四半期を守ります。依頼する価値のある会社は、貴社がその判断を済ませていることに安堵するはずです。
出典
- Stanford Institute for Human-Centered Artificial Intelligence、AI Index Report、年次。
- McKinsey & Company、The State of AI、年次調査。